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text by S.M.
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そこは、女神が見守る幻想大陸。
ヒトや妖精、幻獣たちの住まう平和な世界。


女神の定めた五つの国は、長い歴史の中でそれぞれの文化を築いていた。

世界の中心、央の国。
マナの湧く七色の泉、月影に輝く水晶の花。
外部の者は容易にたどり着くことはできぬ、妖精たちの住む秘境。

北にそびえるは、氷と雪に閉ざされた永久の国。
ドワーフや獣人が多く住み、地下に輝く輝石を秘めた天然の宝物庫。

南に広がるは、砂漠に覆われた生命の国。
ヒトと亜人が共存し、命の海と死の砂漠を抱いた真理の姿。

東に息づくは、神の血をひく光の国。
今は遠き王制の名残を残す、多民族の住まう大地。

西を統べるは、世界唯一の王制が残る夢の国。
夜の女神の加護を受け、色づく薔薇の咲き乱れる花の園。


西の国唯一の王女は、夜の女神と同じ金の髪に蒼の瞳をもった可憐な少女。
少女が夢見る神話の世界は、美しくも儚い創世のものがたり。

今宵も少女は古き神々の時代を夢に見る。
世界のはじまりから今に至るまで、幼い頃に読んだ神話の絵本が、繰り返し少女を神々の世界にいざなう。
そうして月の精が眠りにつく頃、輝く朝日とともに少女は現実の世界へと引き戻されるのだ。

今日は舞踏会の日。
久しぶりに会う友人や、遠い国から来る客人が、きっと少女を楽しませてくれる。
さあ、今夜はどんなドレスを着ていこうかしら。



text by Reiri
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