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text by S.M.


失礼。

――ああ、どうもお待たせしました。

碧の騎士団、第五師団長です。

――え?

…ほう、蒼の騎士団は師団長補佐がお相手でしたか。

ははは、いえなに、蒼の騎士団は頭を使う仕事が多いですから。

平時でも蒼の師団長は忙しいことが多いのですよ。

蒼の師団長も補佐役なんぞではなく本人が来たかったでしょうな。

年に一度、どのような記者が尋ねてくるか、我ら騎士団も楽しみにしているのですから。

いや、碧の騎士団は暇なのかと思われそうですがね、もちろんそんなことはありませんよ。

――さて、何から話しましょうか。


我ら蒼碧の騎士団は王の左右を守る者というのは聞きましたかな?

王の右手は剣を取り、王の左手は盾を持つためのものです。

剣は国の未来を示すもの。

何者にも屈さない折れない剣は、国の守護を意味します。

盾は国の平和を表すもの。

どんな禍からも民を守る砕けぬ盾は、国の安寧を意味しているのです。

このことから、右を守護する碧の騎士団は武を、左を守護する蒼の騎士団は智を象徴しています。

――つまり、碧の騎士団は皆腕っぷしが強くて、蒼の騎士団は頭のキレる者が多いということです。

はは、団長の気質そのままでしょう?


歴代の団長がそうであったように、現団長たちもそのような資質を持っていたからこそ、若くして名誉ある蒼碧の騎士団長に選ばれたのでしょうな。

武に秀でた碧の君、智に長けた蒼の君。

どちらも団長になってすぐの頃は、周囲から大変不安がられたものです。

彼らが優秀なのは誰もが認めていましたが、なにせ、若すぎる。

当時二十代半ばにも満たぬ――悪い言い方をすれば――若造が、誇り高き蒼碧の騎士たちをまとめることができるのか、とね。


騎士団長の位は、指名権を前騎士団長が持っています。

それを陛下が認め、任命することで騎士団長になれるのです。

周囲が反対する中、当時の騎士団長も陛下も、反発する我らを面白がっているような節がありました。

――今思えば、まったくの杞憂だったわけですが。


騎士団長になった二人は、その鬼才を如何なく発揮し、実力で重鎮や騎士たちを黙らせたのですよ。

元々入団当初から高い実力を評価されて出世街道まっしぐらだった彼らは、ついに十年ほどで最高位の騎士団長まで上り詰めてしまいました。

私も十の頃から三十余年を騎士団で過ごしましたが、師団長にまでなれたのは奇跡のようなもの。

名誉ある騎士団には国中の若者が志願してきますから、のし上がるのは大変なことです。

ですが、考え方を変えれば、実力次第でいくらでも上に昇れるということでもあります。

若き騎士団長たちのように。

ははは、夢のある仕事でしょう?


――ふむ、具体的な仕事ですか。

まあ、我ら碧の騎士団は主に王都の警備と犯罪の取り締まりといった力仕事が多いですかな。

蒼の騎士団は王都の警備に加え災害対策なども多く受け持っています。

完全分業制ではありませんが、騎士団の特性に合わせて各々が向いた仕事をこなしているのですよ。

なにせあちらには賢い連中が多いですから、地図や資料とにらめっこするような仕事は、あちらに任せる方が効率が良いのです。

碧には腕に自信のある者、また正義をこよなく愛する者を。

蒼には智に誇りある者、また誠意をこの上なく信ずる者を。

そのような人材を、我らは求めておるのです。

記者殿の手腕で、来年もいい面構えの者が集まるよう、頼みますよ。


――鍛錬の様子?

…どうせなら直接見てもらう方が良いかもしれませんな。

今から鍛錬場に向かいませんか。

うちの若いのに案内させましょう。




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