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text by S.M.


ついに、我が西の国の王太子殿下がご婚約なされた。

お相手は、北方の辺境伯の一人娘。二十五歳で王子より年上になる。

趣味は読書とヴァイオリン。王立大学に在籍しながら北の国に留学経験もあり、聡明で気品ある女性と評判である。

令嬢の母君は現王陛下の従姉であり、令嬢は殿下の遠い親戚にあたる。

お二人の出会いは、三年ほど前の殿下主催の舞踏会。

殿下主催の舞踏会は、現王陛下の開かれる国家の公式行事としての舞踏会と違って、有力な貴族や将来有望な若者たちが交流を持つために集まるサロンのようなもの。

才能を見込まれた辺境伯令嬢が、舞踏会のヴァイオリン奏者としてはじめて招かれた際、殿下が多くの女性の中から見出された。

殿下と令嬢は幼い頃に公式行事などで顔を合わせていたようだが、特別深い関わりもなく、令嬢が長く北の国に留学していたことから、ほとんど初対面同然であった。

歳も近く気の合った二人は急速に接近したが、当時政務に関わり始めたばかりの殿下は多忙で、交際に発展するまで時間がかかったという。

現在令嬢は陛下や妃殿下、王太子殿下の妹姫とも親しく交流し、未来の直系王族の一員として歓迎されているようである。

今後半年から一年ほどの間に妃殿下と花嫁修業を行い、数年内に行われるであろう殿下の王位継承の時期を考慮した上で正式なご結婚となるであろうと予想される。

殿下のご婚約に涙をのんだ若い女性陣も少なくないであろうが、多くの国民がこの二人を心から祝福している。

舞踏会は夜の女神に捧げる祭事であると共に、多くの王族や貴族が花嫁を見初めてきた場でもある。

もしかしたら、女神のご加護によって良縁が結ばれているのかもしれない。

我々が女神の加護に感謝し、舞踏会を祭事として大切にしていく限り、この国は末永く続いていくだろう。

初々しいカップルには、国内外からも多くの祝福の声が届いているという。


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